~風ブログ~

7.脳ドッグを受診しよう!  【Homeに戻る】


【日本人の3大死因とは】
■日本人の3大死因は癌(悪性新生物)、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、脳血管疾患(脳卒中) 特に脳血管疾患と虚血性心疾患は突然激しい症状がでるのが特徴で、命の危険を伴う重篤な病状になることが多い。

【脳卒中とは】
■脳卒中とは主に脳の血管が詰まりその先の脳細胞が壊死する「脳梗塞」、脳内血管が破れて出血する「脳内出血」、 脳の血管にできた脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)が破れて出血する「くも膜下出血」のことだ。

【くも膜下出血とは】
■くも膜下出血は発症すると突然意識を喪失したり今までに経験したことのないような強烈な頭痛の症状が突然現れる。
■くも膜下出血は、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の間にある血管が切れて出血するもので、その原因のほとんど(90%程度)は脳動脈瘤と言う 脳動脈にできた「血管のこぶ」からの出血です。
■厚生労働省平成23年患者調査によると日本でのくも膜下出血の発症は年間36,000人でうち女性が約7割を占め、80歳くらいまでは年齢とともに増加するが 高齢者だけでなく中年層でも発症するのが特徴だ。
■死亡率は30~40%程度と言われていて一旦発症すると命の危険に直面する極めて危険な病気と言える。

【くも膜下出血の対策】
■くも膜下出血の原因はほとんどが脳動脈瘤に起因していると言われていることから、対策としては脳ドッグを受診して 脳動脈瘤の有無をまずは見つけることだ。
■もし脳動脈瘤が見つかった場合で動脈瘤破裂の可能性が大きいときは次の方法で手術が必要になる。
・クリッピング術:開頭しチタン製やステンレス製の金属クリップで脳動脈瘤の首根っこの部分をはさむ方法。
・コイル塞栓術:GDCというプラチナ製のコイルを脳動脈瘤の中に充填する方法。

【脳ドッグについて】
■脳ドッグは費用もかかることもありなかなか受診できていないのが現状だが、最近は2万円以下で受診することができる クリニックも出てきた40歳以降は2~3年に一度は脳動脈瘤の有無を確認しておく必要がある。
■筆者は6年ほど前に脳ドッグを受診したことがあるが先月(2020年1月)義兄がくも膜下出血で倒れたこともあり再度受診したのでその概要を紹介する。
■筆者が受診した脳ドッグは銀座一丁目にある「メディカルチェックスタジオ」で脳ドッグ専門のクリニックだ。
<予約方法>
・webにて簡単に予約が可能。⇒ 「メディカルチェックスタジオ」
・「脳ドックの空き枠を見る」ボタンを押すとカレンダーが出てくるので空いている〇や△をクリックすると希望の時間帯を指定します。
・時間帯は曜日により多少違うが平日なら朝9時から夜は7時まであるので会社帰りにも寄れる。
・日にちと時間を確定すると登録情報や問診票の画面がでてくるので必要事項を入力する。
・登録が完了すると登録したメールアドレスに受診の確定メールが届く。
<料金>
・脳ドッグ:17,500円(税抜き)・・・脳のMRI,MRA
・料金の支払い方法:クレジット決済、受診当日窓口支払いが選べます。筆者は当日受診後受付で現金で支払いました。

【メディカルチェックスタジオ】
■東京銀座にあるメディカルチェックスタジオで実際に脳ドックを受診してみたので詳細を紹介いたします。
<最寄り駅・場所>
最寄りの駅はJR有楽町又は有楽町線銀座一丁目駅で筆者は有楽町駅から歩いたが5分程度で着いた。
↓【マップ】

↓【このビルの2階が】
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<受付・準備>
■ビルの入り口を入ると目の前にエレベータがあるので2階に上がり、エレベータを降りると目の前に看板を確認して 入り口の扉を開けるとすぐそこのに受付がある。
■受付は名前と予約時間を言うだけで簡単に終わる。筆者は予約10分前に受付し指示に従い受付前の椅子で待っていると5分もしないうちに 呼び出され受信者用個室ロッカールームで上着と所持品をロッカー置き検査の準備が完了した。
■準備と言うっても人間ドッグのように特別な服に着替えることもなく上着を脱ぎ体に付けた金属類を外しただけであった。
<検査>
■ロッカールームの鍵をかけるとすぐにMRIのある部屋に案内された。装置は「TOSHIBA」のロゴがあったので旧東芝メディカルシステムズ(株) [現キヤノンメディカルシステムズ(株)]製の装置であることが分かる。
■MRI装置のベットの上に横になるとほぼ予定時間にMRI検査が始まり15分程度終了した。
■検査中は「ピロピロ」とか「ガッガッガッ」と言う規則的な音がするが地下鉄の騒音程度であった。
■筆者はオプションのCT肺・心血管ドックも受けたのでMRI検査後に別な部屋でCT検査を実施した。こちらの方は5分程度ですぐ終わった。
<料金支払い>
■検査後は受付で料金を支払いし全体で30分ほどで終了する。
<検査結果通知と検査結果の見方>
■検査結果は1週間以内にメールで案内がくるのでメディカルチェックスタジオのホームページの「マイページ」に入り ログインすると結果を見ることができる。
■筆者の場合は検査後5日で検査結果の案内メールが届いたので早速「マイページ」にログインして診断結果を確認した。

<筆者の検査結果を公開>
■脳ドックや健康診断結果などはかなりセンシティブな情報ではあるが筆者の検査結果をあえてこのブログを通じて公開する。
■公開するのはより多くの人に脳ドック受診の重要性を認識してもらい脳卒中の予防を訴えたいからだ。
■筆者は脳ドックと同時に肺・心血管ドッグも同時に受診したのでその結果も併せて紹介する。

【脳ドック評価】
■総合評価
(1)全体的に日常生活に支障をきたす所見はありませんでした。 1~2年に1回の脳ドックをお勧めします。
(2)ごく軽度の側脳室周囲高信号(画像3矢印)と脳白質病変(画像3,4円内)を認めます。
(3)血圧コントロールが重要です。適度な運動、質の良い睡眠を心がけてください。
(4)両側上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞に軽度の粘膜肥厚が認められます(画像5四角)ので副鼻腔炎の症状があれば耳鼻科を受診してください。
■頭部MRI所見
(1)脳萎縮:なし
(2)脳梗塞:なし
(3)側脳室周囲高信号(PVH):Grade Ⅰ(*1)
(4)白質病変:Grade 2 (*2)
(5)血管周囲腔拡大(基底核):Grade 1 1-5個
(6)血管周囲腔拡大(皮髄境界下):Grade 0 なし
(7)脳微小出血(CMBs):なし
(8)陳旧性脳出血:なし
(9)脳腫瘍:なし
(10)水頭症:なし
(11)頭頸部病変:あり/部位:両側 鼻・副鼻腔 (*3)
(12)正常変異:なし
■頭部MRA所見
(1)動脈瘤:なし (2)3年以内の破裂確率(%):0.4 (3)破裂予測リスク:Grade I(1%未満) (4)動脈解離:なし (5)血管屈曲・蛇行:なし (6)血管狭窄:なし (7)血管閉塞:なし (8)脳血管奇形:なし (9)正常変異:なし
【脳動脈MRA画像-1】
脳動脈瘤は無し
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【脳動脈MRA画像-2】
脳動脈瘤は無し
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【脳動脈MRI画像-3】
矢印部分:ごく軽度の側脳室周囲高信号(*1)
〇印部分:脳白質病変(*2)
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【脳動脈MRI画像-4】
〇印部分:脳白質病変(*2)
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【脳動脈MRI画像-5】
四角内:副鼻腔炎(*3)
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【肺・心血管ドック総合評価】
■総合評価
(1)冠動脈石灰化を認めます。心臓超音波検査などによる精密検査が必要です。
(2)肺に陳旧性病変を認めます。肺心血管ドックでフォローしてください。
(3)肝のう胞を認めます。経過観察で良いと思われます。
■第1所見
(1)部位:心臓
(2)所見:心臓の冠状動脈石灰化
(3)判定:当クリニックもしくは専門医を受診してください。
■第2所見
(1)部位:両肺尖部
(2)所見:陳旧性病変
(3)判定:一年後に低線量CT検診をお勧めします。
■第3所見
(1)部位:肝臓
(2)所見:肝嚢胞
(3)判定:現時点では精査は必要ありませんが、経過観察をお勧めします。

【CT画像】
【肺・心臓CT画像-6】
矢印部分:冠動脈石灰化(*4)
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【肺・心臓CT画像-7】
肺に陳旧性病変(*5)
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【肺・心臓CT画像-8】
矢印部分:肝のう胞(*5)
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(*1)側脳室周囲高信号域(periventricular hyper inten-sity:PVH)
脳室の周辺に血流が悪くなって部分のことで加齢,高血圧,特に虚血性病変などが考えられる。
(*2)大脳白質病変
脳深部の白質部分に血の巡りが悪くなって部分がある状態をいいます。
慢性脳虚血性変化とも呼ばれ高齢者では加齢的変化として認められますが、 程度が強くなると、脳卒中や認知症を起こしやすくなると警告されています。
高血圧が最大の危険因子とされているがメタボリック症候群、痛風、心臓病、腎臓病などもも危険因子の一つとされている。
将来の脳卒中や認知症の発症を予防するために、高血圧管理とともに生活習慣病全般に わたる管理を強化する必要があり1~2年に1回の脳ドックをお勧めします。
(*3)副鼻腔炎
俗に言う蓄膿症のことで両側上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞に軽度の粘膜肥厚などから判断される。
副鼻腔炎が起こる原因としては、まず風邪などのウィルスや 細菌の感染によって鼻腔に炎症が起ります。
副鼻腔は鼻腔とつながっていますから、副鼻腔にも炎症が及びます。
自然に治ったり、短期間細菌を叩く抗生物質などの薬物療法で比較的簡単に治ります。
(*4)心臓の冠動脈石灰化
心臓の筋肉に血液を送る重要な3本の血管を冠動脈と呼びますがその冠動脈の内膜と中膜に カルシウムが沈着して石灰化が起こります。
原因としては喫煙、糖尿病、慢性腎臓病などが知られていますが、加齢によっても生じます。
冠動脈の石灰化は狭心症や心筋梗塞(虚血性心疾患)の原因となるため、心臓超音波検査や負荷心電図検査、 場合によっては冠動脈造影CT検査が必要な場合もあります。
(*5)陳旧性病変(ちんきゅうせいびょうへん)
肺炎などの炎症後の瘢痕(傷跡)のことでで肺炎の症状がなくても炎症を起こして自然治癒された場合に見られる所見です。 精密検査や治療の必要はありません。
(*6)肝のう胞
肝のう胞とは、肝臓の一部に袋状に液体が溜まったものです。
肝臓にのう胞ができる病気にはさまざまなものがあり、先天的なもの、外傷けがによるもの、 炎症に伴うもの、寄生虫によるもの、腫瘍などがあります。


<脳ドッグを受診のまとめ>
今回脳ドッグを受診してみた感想などを次のようにまとめてみた。
■メディカルチェックスタジオ
・費用:17,500円と言うリーズナブルな価格で受診しやすい。
・予約:webで簡単に予約できる。一度予約した日程を変更する場合は一度キャンセルして再度新しいい日程で予約しなおす仕組みです。平日なら夜8時までやっているので会社帰りにも受診できる。
・対応:受付や実際に検査する技師の方の対応はごく普通ではあるがスピーディーな対応であった。
・検査:人間ドックのように着替えなどないのでいきなり検査ができるので脳ドックとオプションの肺・血管ドックをセットで検査しても30分程度で終わる。
・検査結果:脳ドッグでは18項目、肺・心血管では所見ごとに検査結果が記載されると共に所見については解説があるので素人でも所見について概ね理解できる。
・検査データ:自分の検査データ(所見、写真)は「マイページ」に登録されるのでスマホやPCでいつでも見ることができるので次回受診時に前回との比較も可能。

<2020.03.7:koba84>