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【1】巨大地震の恐怖!

1)巨大地震は必ずやって来る!
Natural ■日本は地震、津波、風水害、土砂災害などの自然災害が極めて多い国である。特に地震は数十年おきに巨大地震が 発生しているが精度の良い地震予知となると科学が発達した今日でもまだ難しい状況で、ひとたび巨大地震が発生すれば多くの犠牲者が出てしまうことになる。
南海トラフや首都直下型地震のような海溝型巨大地震は過去の歴史で記録されているように 一定の間隔で繰返し起きていて、時間が過ぎれば必ずまた発生すると考えるべきである。 つまり地震の無い安全な毎日が続いていると言うことは巨大地震の発生のその時に 向かって日々刻々と近づいていると言うことであり、残された時間はもう無いかも知れないと考えるべきである。
2)本ホームページ開設の主旨
 【写真12-7】地震による家屋倒壊(神戸市灘区 写真提供:神戸市)
Natural ■本ホームページ(防災の広場)は予知が難しい「巨大地震」にスポットをあて過去の巨大地震の事例や地震動、津波、津波火災、 延焼火災などの発生メカニズムや地震発生時からの時系列的避難行動(逃げ方)をより具体的に紹介することを開設の主旨とした。
■本ホームページでは巨大地震時の具体的避難方法(逃げ方)を 「巨大地震避難マニュアル」(A4サイズ21頁)としてまとめたので公開する。 行政が発行するハザードマップと共に利用し最終的には個人や家族単位でのより詳しい「我が家の避難マニュアル」 を作成するのに活用して欲しい。 ■いざと言うときのために 「我が家の避難マニュアル」のサンプル (鎌倉市内に住んでいる場合を想定にした津波からの避難マニュアル)を作成したので参考までに公開する。 このマニュアルを雛形にして各家庭で考えられる災害を基にいざと言う時に家族がどのような行動をとるかを マニュアル化して普段家族間で話し合いをすること強く推奨する。
■そして今後発生が予想される南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大地震発生時に沈着冷静な避難行動をとり犠牲者を少しでも減らせることを切に祈念するものだ。

【2】巨大地震から自分や家族を守る!

1)個人・家庭での具体的地震対策は何故なされないのか?
■東日本大震災以降国や地域の行政が各種ハザードマップで迫り来る地震に対して国民に対して警告しているにもかかわらず地震に 関しては興味があっても具体的対策となるとほとんど無関心でまるで他人事のように考えている人が多いのも事実である。
実際に巨大地震が起きた際は国や地域の行政が住民一人一人を安全な場所に避難誘導してくれる訳ではなく基本的には個人(自助)の責任で 避難しなければならないことを再認識する必要がある。
■人は危機が迫っていたとしても明確な証拠がないとなかなか信じることができず現実に対して楽観的であり続けたいと思う心理が働き、現実を歪めてしまう。
■この結果「大したことにはならないはず」、「自分だけは大丈夫」と言う思い込みをし、目の前で明確な証拠が確認されるまで現実を認めようとしない。 このことを心理学では「正常性バイアス」(先入観や偏見で物事が正常の範囲だと自動的に認識する心の動き)と言う。
■迫り来る巨大地震に対して自分や家族の命を守るために何を具体的にやれば良いのかを「正常性バイアス」に惑わされずに「自助」(他人に 頼らず自分自身で成し遂げること)の精神で防災を考え、そして実行してみてはどうであろうか。
2)自分や家族守る防災「6訓」
■防災に関する資料やハザードマップなど世の中には沢山存在するが具体的避難方法を解説した資料は以外に少ない。本ホームページは「自助」の立場での 「避難の仕方」(逃げ方)を研究のメインテーマにしているが、避難を前提にした基本的考え方を次の「6訓」にまとめてみたので参考にされたい。
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【3】巨大地震から自分や家族を守るために何をすれば良いのか!

   【図10-1】巨大地震に備える「自助努力」の流れ
Natural ■災害や事故では偶然がその人の生死を分けることが良くあるが、地震では最初の大きな揺れの際に何処にいるかで生死を分ける ことがある。たまたま耐震性の弱い建物に居て建物が倒壊したとか、もろい急斜面脇の道路を車で走行中に土砂崩れに 巻き込まれるなどが一瞬で命を失うケースであるが、このような偶然による災難を回避するのは極めて難しい。
■しかし関東大震災や東日本大震災をみれば本当に怖いのは地震の二次災害と言われる「津波」、「津波火災」、「延焼火災」であるが これらの二次災害は「自助努力」で大幅に回避することができる。
■地震に備える「自助努力」の具体的方法としては【図10-1】の6つのステップで対策を進めることを推奨する。この6つのステップはまず過去の巨大地震を 知ることから始めて地震動対策や「我が家の避難マニュアル」を作成して避難方法を決める。
■「我が家の避難マニュアル」はいざと言うときの家族の行動や避難方法をマニュアル化したもので家族構成や住んでいる場所等により各家庭で作成し 家族会議を通じて家族全員が共有するものだ。更にこの避難マニュアルを基にした自主避難訓練を行い問題点等あれば改善しベストな避難マニュアルに 磨き上げようとする考え方である。
■このように「我が家の避難マニュアル」を作成し家族と共有する「計画」(Plan)と自主避難訓練を実施する「実行」(Do)及び 自主避難訓練の結果で問題点等を探す「評価」(Check)、そしてその問題点等の「改善」Action)のPDCAサイクルを繰り返すことが重要だ。
■このPDCAサイクルを繰り返し最終的に根拠のない「自分だけは大丈夫」が根拠がある「自分は生き延びられるかも知れない」 に変えることができたとき自分や家族を守る「自助努力」が大きく前進したと言える。
■物事を改善する手段として「PDCAサイクルを廻す」考え方はビジネス世界でも世界的に良く使うが日本的言葉で言い換えると「試行錯誤を繰り返す」に近い考え方である。 いづれも考え方は美しいが「地道な努力」をしないとその効果は期待できないことも事実である。。
■巨大地震に備える自助努力でのPDCAサイクルは自分や家族の命に関わることでもあり「これなら自分や家族が生き延びられるかも知れない」 と言う結論が出るまで「地道な努力でやりきる」ことが重要だ。
■地震による災いは人を選ばず平等に襲ってくるが「何もせず幸運を期待する」か「自助努力して生き延びる確立を上げる」かの選択は自由だが、巨大地震は必ず やって来ると分かっているのに何もしないことは命をただ無駄にすることと同じだ。一人でも多くの人が生き延びるように一人一人が「自助努力」する ことが防災の基本であることを忘れてはいけない。

1.過去の巨大地震を知る【ステップ(1)】

Natural ■まずは過去の代表的巨大地震(関東大震災、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災)での被害や地震、津波、延焼火災などの発生のメカニズムを 理解しよう!
■具体的には本ホームページの「1.過去の巨大地震災害」を参照し過去の巨大地震で何が起きたのかを知り巨大地震の恐ろしさを再認識することから始めよう!
■過去の巨大地震では家は破壊され徹底的に燃やし尽され、そして山は大きく崩れ、巨大な津波は多くの人々を飲み込む、このような巨大地震から命を守るには家の耐震化を 図り二次災害からは一刻も早く逃げるしか方法が無いことを再認識するが重要だ。
「自助レベルでできる防災」とは「自宅の耐震化」と「いざと言うとき一刻も早く安全な場所まで逃げ切る」ことで過去の巨大地震の被害を知ればその理由がご理解いただけると思う。


1)関東大震災 
 【写真10-2】船にて避難する人々(所蔵・提供:東京都立中央図書館)
Natural ■大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災は我が国で発生した過去最大の被害を出した地震で東京や横浜を中心に家屋の倒壊や延焼火災の他津波や土砂災害など甚大な 被害がでた。
■地震発生当日は台風くづれの低気圧が通過中で強風が吹いていたため延焼火災が大規模に拡大し21万2千棟あまりが焼失し 延焼火災による 死者は9万2千人におよび、この地震全体の死者10万5千人の約88%にも及んだ。
■都市における地震火災の特徴は同時多発に発生することで、保有する消防能力で対応できない火災が強風などの気象条件と 重なれば広域な延焼火災に進展することは確かだ。 特に住宅密集地帯での延焼火災の恐ろしさをけして忘れてはいけない。
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2)阪神・淡路大震災 
 【図10-3】阪神・淡路大震災で1階部分が崩壊した住宅
Natural ■平成7年(1995年)1月17日淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3、最大震度7の地震が発生した。この地震は内陸で発生するいわゆる都市直下型地震で 震源の深さは16kmと浅く地表では凄まじい揺れが発生し建築物の倒壊等により甚大な被害が発生した。
■人的被害は死者6,402名(兵庫県データ)、負傷者43,792名で津波を伴わない地震そのものの被害としては戦後最大の被害をもたらした。
■この地震の大きな特徴として地震による死者(6,402人)の80%相当が家屋の倒壊や家具の下敷きになって死亡したことである。 特に1階で就寝中に圧死した人が多かった。このため建物の耐震化の重要性が見直され特に旧耐震基準で建てられた建物(昭和56年/1981年5月31日 以前に建てられた建物で「既存不適格の建物」と言う) の耐震化が急務である。
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3)新潟県中越地震
 【写真10-4】小千谷長岡線の土砂災害現場(長岡市妙見町/写真提供:新潟県)
Natural ■平成16年(2004年)10月23日に発生した新潟県中越地震は新潟県川口町の直下13kmを震源として発生し川口町では震度7、小千谷市、山古志村では震度6強であった。
■この地震特徴は震源付近が山間部で土砂災害が多発したことで東山丘陵、魚沼丘陵のいたるところで大規模な地すべりや斜面崩壊が3,791ヶ所も発生した。
■このため幹線道路はいたるところで土砂くずれを起こし交通インフラが麻痺し孤立する地域が多数発生した。また山間部へ接続される 電力・通信ケーブルが破壊され電話やインターネット回線が使えなくなり外部からの安否確認がとれない状況が続いた。
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4)東日本大震災
 【写真10-5】津波で壊滅崩壊した宮城県南三陸町役場
Natural ■平成23年(2013年)3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は国の想定をはるかに超える規模の地震や津波が発生し戦後最大の人的被害をもたらした。
■この地震の特徴は地震の規模がM9.0と日本周辺での観測史上過去最大のものであったことと、震源域が南北500km× 東西200kmの広大な領域で発生したことだ。
■その結果広大な断層面が一度に動き想定をはるかに超える巨大な津波が発生し多くの人的被害が出た。
■この地震での死者は18,456人で、その内92.4%の人が津波による溺死であることから津波の規模の大きさが分かる。
■また福島第一原子力発電所(1F)では地震動による外部電源供給停止や津波による非常用発電機や非常用バッテリーなどの浸水によりフェイルセーフの 安全装置が全て破られ、原子力発電所にとって全電源喪失と言う最悪な事態が起きた。 結果として炉心溶融とそれに伴う圧力容器のベント操作やその後の原子炉建屋の水素爆発により 高レベルな放射性物質を広範囲にまき散らす広域汚染が発生した。
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2.地震の仕組みと被害・対策を知る【ステップ(2)】

1)地震の仕組み
Natural ■日本は世界でも有数の地震国で世界で起きる地震の約20%は日本で起きている。 気象庁のデータによると2015年の震度1以上の 地震は何と年間で1,841回発生しており、月当たりの平均は153回にもなる。なぜこんなに地震が多いのでしょうか。
■それは日本列島や付近の地殻構造に由来するものだ。日本列島は複数のプレートがひしめき合っている場所で、 日本列島の下ではプレートが活発に活動しており、この結果あちこちに「地震の巣」ができ繰返し地震を発生させている。 このため日本は世界有数の地震の多発国となっている。つまり世界でも有数な危険な土地に住んでいることを忘れてはいけない。

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2)地震と建物被害
Natural ■震度の規模(マグニチュード)が大きくなると揺れ(地震動)は大きくなり建物に大きな被害をもたらすが、1995年1月の兵庫県南部地震(阪神・ 淡路大震災)最大震度7.0では、 地震による死者(6,434人)の80%相当が家屋の倒壊や家具の下敷きになって死亡した。
■なぜこのように多くの建物が倒壊したのでしょうか。結論から言えば「建物の耐震化が不十分」と言うことになる。
■この地震で倒壊した建物は現行の建築基準法(1981年/昭和56年改正)以前に建てられた建物(既存不適格建物)に集中していて、 強い揺れに対して柱や壁等の耐力が不足し倒壊に至っていることから地震に対する防災対策として建物の耐震化がいかに重要かが分かる。
■すなわち地震に対する防災対策は防災用品を大量に買い込めば良いと言うことでは無く、震度7クラスの地震でも破損しても倒壊しない「家の耐震化」を図ることが 自分や家族を守る上で最も重要なことと言える。
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3)地震と津波被害
Natural ■地震による津波は「地震津波」と言うが、震源が海底の比較的浅い場所(0~60km程度)で大きな地震が起きると断層活動により海底地形が変形し その変形が海水に伝わり海面を上下させることにより津波が発生する。
津波の速さは水深2,000mでは時速500km、水深4,000mでは時速700kmにもなりジェット機並みの速度で進むことを忘れず、 津波ハザードマップで想定浸水範囲に居る場合は地震後躊躇(ちゅうちょ)せず高台に一目散に逃げることである。津波からの避難は「早く高台逃げる」しか方法がないことを忘れてはいけない。
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4)地震と火災被害
Natural ■内閣府のデータによると関東大震災の際に東京市だけでも134ヵ所から同時多発で出火して、 初期消火で鎮火したのが57ヶ所で残した77ヶ所が延焼火災となり、 延焼は市域面積79.4km2の43.6%の34.7km2に及び21万余棟が焼失し、火災による死者は91,781名と言う甚大な被害を出した。
■現在の東京や大阪の住宅密集地域で同時多発の火災が発生し強風の気象条件になれば広域な延焼火災が発生することは確実で、その延焼火災からの 避難は津波からの避難より難しく日頃から避難訓練をしておかなければ生き延びるのは難しい。
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5)地震と液状化被害
Natural ■埋立地などで砂地盤で地下水位が高い所では普段は砂粒と砂粒の摩擦力で支え合い安定を保っているが 地震の振動が地盤に伝わると砂粒と砂粒の間の 水の圧力(間隙水圧)が上昇して摩擦力による支え合いが 外れてしまう。この結果、砂粒は水と混じり合い液状になるこれを「液状化の現象」と言う。
■東日本大震災の際に千葉県浦安市では液状化が起こり地中埋設物のマンホールや水道、下水、ガス配管などが破損しライフラインが停止した。
地の利が良くても液状化地盤の土地に家を建ててしまうとその後の液状化対策には相当な出費が伴うことを覚悟しな ければいけない。 このことから家を新築したり建売住宅を購入する場合は建物本体の他にその土地が液状化地盤であるかどうかを良く確認する必要がある。
■液状化地盤であるかの判断は市町村や国道交通省が発行する液状化マップで確認する他に昔の地図・資料で、購入する土地が昔し沼や池、 河川の跡でないことなどを確認することが重要だ。
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3.「我が家の避難マニュア」作成【ステップ(3)】(計画:Plan)

1)巨大地震避難マニュアル
Natural Natural ■自宅や通勤・通学先が巨大地震時に津波や延焼火災などの二次災害がどの程度予想されるのか行政が発行する 津波や延焼火災のハザードマップで確認しよう。なお、行政が発行するハザードマップ(被害予想地図)は市町村の窓口か ホームページを通じて入手することができる。
■本ホームページでは巨大地震が起きた際に考えられる命の危機とそれぞれの危機に対する避難行動をマニュアル化した「巨大地震避難マニュアル」を 作成したので、このマニュアルを基にまずは自宅にいる時に巨大地震に遭遇した際にどのような危機が発生するのか、 そのときどのような考え方で避難すれば良いかを考えてみよう

<<巨大地震避難マニュアル(PDF版)>>
 ①地震マニュアル全体を開く ・・・・地震発生後の全ての行動(A4サイズ21頁)
 ②地震動からの避難 ・・・・・・・・地震発生時の行動
 ③地震火災からの避難 ・・・・・・・地震直後の火災に対する行動
 ④津波からの避難 ・・・・・・・・・津波からの避難方法
 ⑤津波火災からの避難 ・・・・・・・津波火災からの避難方法
 ⑥延焼火災からの避難 ・・・・・・・延焼火災からの避難方法
 ⑦避難場所での行動 ・・・・・・・・避難場所にたどりついた後の行動他


2)我が家の避難マニュアルの作成(サンプル)
Natural Natural ■巨大地震時に家族がどのような行動をとるかを普段から決めておくことは自助における防災の基本といえる。
■本ホームページでは巨大地震の際に家族の行動を纏めた「我が家の避難マニュアル」(サンプル)を作成したので紹介する。
■このマニュアルは鎌倉市内に自宅があることを前提に津波からの避難を想定して作成したもので纏め方のサンプルとして 作成したもので、避難経路等も詳細な検証はなされていないので注意されたい。
■実際に利用するする場合はこのマニュアルを雛形(ひながた)に家族構成なども考慮して全体を見直した上で利用願いたい。
■鎌倉市は南方向の相模湾に向って扇状に広がっていて東西に山、中央に川と主要道路があり津波が市内の奥深くまで遡上しやすい地形だ
■鎌倉市が想定している巨大地震は南関東地震(相模トラフ地震)や慶長地震(南海トラフ地震)でこれに伴う浸水域を津波ハザードマップとして 公開しているが、この津波ハザードマップを基に「我が家の避難マニュアル」を作成した。
■本避難マニュアル鎌倉駅を中心に8エリアに分けて避難経路や避難場所などを具体的に記載してみた。さらにこの地図をもとに Google Earthのルート検索機能で徒歩で歩った場合の時間を測定して概ね13分程度で避難場所まで行けるエリア分けをしてみた。
■このような避難マニュアルを作成し避難場所や避難方法を具体的に検討してみるといろいろな問題点が浮かび上がっきてその検討を行うなど したら作成するに1ヶ月以上を費やしてしまった。(このマニュアルのPDF版を貼っておくので参考にされたい)
■サンプルとして作成したこの「我が家の避難マニュアル」は本サイトで紹介することを前提に国土地理院の正確な地図(使用許可申請済み)上に Excelで避難方向を書き込んで作成したが、避難地図はWebの地図ソフトで印刷してその地図に避難経路を手書きして作成するのが手っ取り早い方法である。
<<我が家の避難マニュアル(サンプル)>>
「我が家の避難マニュアル」(サンプル/PDF版) ・・・・鎌倉市/津波対応版(サンプル)
Excel版の「我が家の避難マニュアル」(鎌倉市/津波避難対応版サンプル)が必要な方は筆者までメールでご連絡下さい。 連絡先は本ホームページメニュー「このHPについて」→ 「お問い合わせ先」をご覧下さい。

4.「わが家の避難マニュアル」を家族で共有!【ステップ(4)】(実行:Do)

1)我が家の防災会議の開催
Natural ■「我が家の避難マニュアル」を作成したら夕食の後など家族がそろって居る時を利用して巨大地震が起きた際の家族の行動について家族間で 話し合う「我が家の防災会議」を開催する(家族間で話し合う主な内容を次に示す)。
 (1)津波到達時間と浸水想定範囲(行政が発行する津波
  ハザードマップなども併用して説明する)
 (2)地震時揺れている時と揺れがおさまった直後の行動
  と想定される事態。
 (3)自宅にいる場合の避難場所と避難経路や市内に
  外出中の場合の各エリアごとの避難場所と避難経路。
2)「我が家の防災マニュアル」(サンプル)  (4)避難する場合の非常持出し袋の内容。
Natural Natural  (5)家族間の連絡方法や避難場所での集合場所等。
 (6)普段買い物や散歩などを利用して実際避難経路を
  歩く自主避難訓練の仕方と避難経路での問題点の
  収集方法。
 (7)以前の家族会議で出た問題点等の改善案の検討。
■家庭レベルでの地震時の具体的避難マニュアルの雛形(ひながた)は筆者がWeb等で調べた範囲では見当たらなかったので筆者がサンプルで作成した 「我が家の避難マニュアル」を参考にされたい。


5.自主避難訓練の実施【ステップ(5)】(実行:Do)

1)避難経路を実際歩いてみよう!
Natural ■自分や家族を守るためのやるべきことの中で最も重要なのはこの項目で説明する「自主避難訓練」の実施である。
■「自主避難訓練」とは行政や地域で行う避難訓練とは別に家族・個人単位で行う避難訓練のことで、作成した「我が家の避難マニュアル」の避難地図に従って実際に避難行動をとってみることだ。
■この自主避難訓練は散歩や買い物で出かけたときを利用するなどしても良いし家族全員で実施しても良い。具体的にはまず地震時の居場所を 決めそこをスタート地点としてそのエリアの避難場所まで歩いて見て所要時間を測定し津波到達時間内で避難できるか確認する。

2)自主避難訓練の主なポイント
■自主避難訓練のポイントは実際の巨大地震が発生した時のことを想像しながら次のことを確認
すると良い。
  ①避難マニュアルの経路で所定の時間で避難場所まで行けるか確認する。
  ②避難経路に危険な個所(老朽化したブロック塀、電柱密集場所、壁面ガラスのビル、
   老朽化した橋)があれば写真を撮るなどして記録する。
  ③想定していた避難経路が通行出来ない場合を想定して迂回路や避難場所の変更案を検討する。
  ④行政指定の津波避難ビルの場所や一般の商業ビルやマンションで緊急避難できそうな場所を
   確認し写真等で記録する。
  ⑤巨大地震は地震直後に広域停電を起こすことが考えられるので定期的に夜間の避難訓練を行い    停電した闇夜でも避難経路の目標となる交差点名なども確認しておく。
   ★筆者は夜間の避難訓練の際に広域停電の擬似体験をするため色の濃いサングラスを主要
   ポイントとなる場所でかけて避難時の目標物の確認をしている。但しサングラスをかけた
   まま歩くのは危険なので、かならず安全な場所で止まってからサングラスかけると良い。
   

6.自主避難訓練での問題点と改善【ステップ(6)】(評価:Check/改善:Action)

1)自主避難訓練での問題点等の改善すべき事項を洗い出してみよう!
Natural ■作成した「我が家の避難マニュアル」は実際に自主避難訓練をしてみると問題点等修正すべき点がいろいろと見つかるはずで これらの修正すべき事項をリストアップしてみよう。
■普段家族との話題にしたり家庭の防災会議で家族それぞれが感じている問題点等修正すべき点を収集する。
2)改善すべき事項の対策を検討する。
■リストアップした改善すべき事項を家庭の防災会議で紹介し話し合いを行う中で改善案を作成する。
 一般的に良く出てくる改善すべき事項と対策について代表例を列記する。
 <代表的改善すべき事項と対策案>
  ①避難場所まで所定の時間内で避難できない。
  【対策案】
   ・避難経路の見直しを行う。
   ・別な避難場所(津波ビル等)に変更する。
   ・行政指定の避難ビルでない一般商業ビル、マンション等でいざと言うときに避難で
    きそうな建物を探す。(非常階段の場所も確認しておく)
  ②自宅と避難場所までの間に古い民家やブロック塀のある狭い危険な路地がある。
  【対策案】
   ・古い民家やブロック塀などは巨大地震ではいち早く倒壊して避難路をふさぐ可能性がある。
    その路地の通過をしないで避難場所までいける別ルートを検討する。(比較的新しい住宅や
    幅の広い路地等に変更する)
■改善した事項は「我が家の避難マニュアル」に反映して家族の防災会議で改善部分を家族全員に紹介する。
■このように「家族の防災会議」(計画:Plan)、「自主避難訓練」(実行:Do)、「自主避難訓練での問題点洗い出しと改善」(評価:Check/改善:Action)の P・D・C・Aサイクルを繰り返すことが極めて重要で、いざというときに冷静で迅速な避難行動につなげることができる。
■東日本大震災時に岩手県釜石市の小中学校生徒(小学生1927人、中学生999人)は地震後津波から避難するためいち早く高台に避難し生存率は99.8%で「釜石の奇跡」ともいわれるが、 これは「奇跡」ではなく「訓練の賜物」というべきである。
■釜石市は歴史的に大き津波を経験していて普段から津波からの避難訓練を真剣に行っており生徒一人一人がどこに逃げればいいのかを普段から良く理解していたからこそ 迅速な避難ができたといえる。
■普段から自主避難訓練している貴方や貴方の家族がいち早く避難するのを近所の人が見て同じ行動をとれば結果的に近隣の人々をも救うことにもなる。
このホームページをご覧い頂いたのを契機に巨大地震からの避難方法を具体的に考えて頂けたら幸いです。

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